この世人間をお創めくだされた元の神様であり、火水風をはじめ、人間身の内のぬくみ、水気、息一すじにいたるまで、この世の一切のご守護をなしくださる実の神様です。人間を創り育てられた親なる神様であるところから、親神様と呼んで敬い親しんでいます。神名は天理王命(てんりおうのみこと)と申し上げます。文字通りに解すれば「天の筋道をもって、統べ治める神」という意味です。
親神様のご守護の全容を、十の守護の理をもって系統立てて教えられ、それぞれに神名が付けられています。これを「十全の守護」と呼んでいます。その中でも、「くにとこたちのみこと」「をもたりのみこと」のご守護の理が最も基本的なもので、それぞれの天における現れを「月」「日」、世界での働きを「水」「火」と仰せになっています。
「おふでさき」では、親神様自らの呼び名を、「神」「月日」「をや」とだんだんに変えながらご教示くださっています。
「ちよとはなし」のお歌に、「このよのぢいとてんとをかたどりて ふうふをこしらへきたるでな」と示され、「おふでさき」に、
このよふのぢいと天とハぢつのをや
それよりでけたにんけんである(第十号 54)
とありますように、「くにとこたちのみこと」には、天、父親が、「をもたりのみこと」には、地、母親が対応しています。このように、月と日、水と火、天と地、父性と母性といった二つ一つの働きの対をなしています。
「をや」という語には、生み出すものという創造神としての性格、守るものという守護神としての性格、一れつ子供をたすけたいという救済神としての性格が含まれているともいわれます。さらに、育てる、導くといった働きも含意されています。
神と人間は、真の親子であるという点に教えの神髄があります。従って、人間は互いに実の兄弟姉妹です。そして、この道は、子供かわいい親心からお付けくだされた、たすけ一条の道であります。
道友社刊『ようぼくハンドブック』より